アゼルバイジャンGPの舞台、バクー市街地コースは想定外のレース展開が多いことで知られているが、今シーズンもそのような展開になった。“闘争心溢れるドライビングで迫り来るウォール群をかわしながら数少ないチャンスをものにする” がこのGPで成功を収める絶対条件だが、ピエール・ガスリーと角田裕毅はその条件をすべてクリアして見せた。マシンが金曜日のフリープラクティスから素晴らしいペースを見せたこともあり、2人はレースウィークエンドが終わるまで上位に位置し続けた。

特にピエールは最初からマシンに好感触を得ていた。ベースラインが良好だったため、セッション間で細部の変更と微調整をするだけで良かったピエールは土曜日のFP3でトップタイムをマークし、予選に向けてかなり余裕があることをアピールした。そして、予選はその通りの展開となり、いとも簡単にQ3へ進出したガスリーはマックス・フェルスタッペンからわずか0.002秒遅れの4位でフィニッシュしてセカンドロースタートを手に入れた。

日曜日のピエールは優勝を視野に入れていたため、かなり気合いが入っていた。スタートに成功した彼は、直後にペレスに前に出られたものの序盤は5位をキープ。レース中盤でパワーユニットに小さな問題が発生し、全長2.2kmのメインストレートで苦しむことになったが、それでもピエールは好位置をキープし続けた。そして迎えたレース最終盤、マックス・フェルスタッペンの不運なリタイアによる赤旗中断後のリスタート時に再び4位につけていたピエールは、3位のシャルル・ルクレール(フェラーリ)から表彰台を奪える可能性を嗅ぎ取っていた。そして、そのリスタートからの残り2周、少年時代から付き合いのある友人同士はハードだがフェアなバトルを展開。抜きつ抜かれつとなったが最後はピエールが前に出てキャリア3回目(すべてスクーデリア・トロロッソ / スクーデリア・アルファタウリで記録)の表彰台を手にした。

 

さらに嬉しいことに、アゼルバイジャンGPでは日本の期待を背負う角田裕毅7位フィニッシュを記録。両ドライバーの活躍で大量ポイントを手にしたスクーデリア・アルファタウリはコンストラクターズランキング5位へランクアップした。角田にとってバクー市街地コースは初めてのサーキットだったため急いで学習する必要があったが、レースウィークエンドが始まると同時にエンジニアの指示に従いながらサーキットを習熟していったため、FP2の時点ですでにピエール・ガスリーに迫るタイムを記録できるようになっていた。そして予選ではその才能を遺憾なく発揮。角田はキャリア初のQ3進出を決めるとランド・ノリス(マクラーレン)のグリッド降格ペナルティを受けて7番グリッドを手に入れた。そして迎えた決勝、角田は前半をフェルナンド・アロンソとのバトルに費やしたあと最終盤のリスタートを6位で迎えると、最後は激しいスプリントバトルに巻き込まれてしまったもののF1キャリア自己ベストの7位でフィニッシュした。

このような結果でアゼルバイジャンGPを終えたスクーデリア・アルファタウリは、ポジティブな流れを維持することに成功した。2019シーズンの表彰台2回(ダニール・クビアトのドイツGP3位 / ピエール・ガスリーのブラジルGP2位)、2020シーズンの優勝1回(ピエール・ガスリーのイタリアGP)、そして今回の優勝は、フレッシュなタレントを発掘してトッププロドライバーへ育て上げることに定評のあるこのチームの成長の証左であり、現在のF1の中団争いをリードする存在という評価を確かなものにしている。

 

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